Japanische Klassiker mit Furigana
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おくじょうねんだけのぜってんにたつき
奥常念岳の絶巓に立つ記
小島 烏水
Lesen Sie 奥常念岳の絶巓に立つ記 (おくじょうねんだけのぜってんにたつき) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.541 Zeichen · 11 Bildschirme
限り呼んだという、自分も叫んだ、相顧みて破顔一笑した。
その崖を下り切ると、白い小山を蜿ねらした雪田が三稜角形に、篦で均らされたようになって、五、六町もつづいている、自分が従来見た雪田というのは、多少の凸凹があるにしても、平面か斜面になっているのにこの雪田は殆んど立体になって、狭い代りに厚味がある、北風で崖へ崖へと吹き寄せられ倚り嬰って尖立したまま、凝って雪山となったのであろう、月影を浴び、花影(高山植物の)を印する万古の雪も、幾回か人の影が落ちたかは、疑問である、げに不断の冬は、山の一角に結象して、寂寥の姿をここに寐かしている。
面前には横尾鳥の三大山塊が、駱駝の背のように起伏して並でいる、自分はこの山を常念とばかり思っていたが、一山登って、路はその横腹、偃松の稀疎になったところを行く、二の俣の小舎から横尾鳥までは一時間もかかり、横尾鳥から常念までは十町ほどの距離に過ぎぬであろうが、急の下りで、急の上りであるから、また一時間を費やす、始終奥常念は面前に屹立して、絶えず群山を威圧している、麓まで来る、前常念岳というのは、遥かに低く奥常念から岐れて、一支脈を南安曇の平原に向けて派出しているが、雲の海が底無しに深くて、何も見えない、見える