Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなこうしゅ
女坑主
夢野 久作
Lesen Sie 女坑主 (おんなこうしゅ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.879 Zeichen · 26 Bildschirme
「そうよ。この世に興味を喪失してしまった人間の粕みたいな人間が、みんな主義者になるのよ」
「そんなことはない……」
「あるわ。論より証拠、貴方に死ぬのをイヤにならせて見せましょうか」
「ええ。どうぞ……」
「きっと……よござんすか」
「しかし……しかしそれは一時のことでしょうよ。明日になったら僕はまたキット死にたくなるんですよ。今までに何度も何度も体験しているんですからね。ハハハハ」
「ホホホホ。それは相手によりけりだわ。妾がお眼にかける夢は、そんな浅墓なもんじゃないわ。アトで怨んだって追つかない事よ」
「ワア。大変な自信ですね。しかしイクラ何でも僕に限って駄目ですよ。世界中のありとあらゆる夢よりも、僕の心に巣喰っている虚無の方がズット深くて強いんですからね……明日になったらキット醒めちゃうんですから……」
「理屈を言ったって駄目よ。明日になって見なくちゃわからないじゃないの。醒めようたって醒め切れない強い印象を貴方の脳髄の歯車の間に残して上げるわ……あたしの力で英、伊戦争を喰い止めてお眼にかけるわ」
「アハハハ。これは愉快だ。一つ乾杯しましょう」
乾杯がすむと眉香子は立ち上って、正面中央のマントルピースの下のスイッチをひねって五つのシャンデリアの光を一時に消してしまった。