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Japanische Klassiker mit Furigana

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おんなきゃく

女客

泉 鏡花

Lesen Sie 女客 (おんなきゃく) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.052 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

けれども、それは何、少いもの同志だから、萌黄縅の鎧はなくても、夜一夜、戸外を歩行いていたって、それで事は済みました。

内じゃ、年よりを抱えていましょう。夜が明けても、的はないのに、夜中一時二時までも、友達の許へ、苦い時の相談の手紙なんか書きながら、わきで寝返りなさるから、阿母さん、蚊が居ますかって聞くんです。

自分の手にゃ五ツ六ツたかっているのに。」

主人は火鉢にかざしながら、

「居ますかもないもんだ。

ああ、ちっと居るようだの、と何でもないように、言われるんだけれども、なぜ阿母には居るだろうと、口惜いくらいでね。今に工面してやるから可い、蚊の畜生覚えていろと、無念骨髄でしたよ。まだそれよりか、毒虫のぶんぶん矢を射るような烈い中に、疲れて、すやすや、……傍に私の居るのを嬉しそうに、快よさそうに眠られる時は、なお堪らなくって泣きました。」

聞く方が歎息して、

「だってねえ、よくそれで無事でしたね。」

顔見られたのが不思議なほどの、懐かしそうな言であった。

「まさか、蚊に喰殺されたという話もない。そんな事より、恐るべきは兵糧でしたな。」

「そうだってねえ。今じゃ笑いばなしになったけれど。