Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなごころのつよければ
女心の強ければ
豊島 与志雄
Lesen Sie 女心の強ければ (おんなごころのつよければ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.011 Zeichen · 94 Bildschirme
松木夫婦や女中たちの見送りの手前も、彼女は平然と、長谷川に続いて自動車に乗りこんだ。
時間はゆっくりあった。国鉄本線へ乗り換える前、三島神社で遊んだ。
「あなた、別館へと言って、別にお茶代をお置きなすったわね。今朝兄さんからあれを貰って、わたしへんな気がしたわ。」
神社の境内で、彼女は突然そんなことを言いだして、くくくと笑った。
襟元凉しく髪を取り上げ、はでな明石縮に絽の帯、白足袋にフェルトの草履、そしてハンドバッグに日傘、ちょっと物見遊山という身なりだった。その側で長谷川は、色あせた麻服の自分を、供の男めいて顧みられ、上衣をぬいでやけにシャツの襟をひろげた。
湯ヶ原の旅館は、その嫁さんが千代乃のお琴友だちとかで、前夜の千代乃の電話で、室の用意がしてあった。渓流に上高く臨んだ室で、水音はうるさいが凉しかった。
湯を一浴びしてから、千代乃は嫁さんのところへ行き、なかなか戻って来なかった。長谷川は水音に耳をかしながら、うっとりと仮睡の心地にあった。神経がへんに疲れてるようだった。
夕食の料理が運ばれて来たのは遅く、それとほとんど同時ぐらいに千代乃は戻って来た。