Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなひゃっかてん
女百貨店
吉行 エイスケ
Lesen Sie 女百貨店 (おんなひゃっかてん) von 吉行 エイスケ (よしゆきえいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.787 Zeichen · 20 Bildschirme
「あなたにお願いと云うのはね、妾の同業の厚化粧ぐみをね、彼奴たちはどうせろくなことはやらないのさ。」
「まったくですわ。ねえ、マダム。」
「妾は正道をあんたも知っているように歩んでるわ。だからさ。妾はあんたのような正しい心をもった女らしい人が好きなのさ。」
「あら!」
太田ミサコはとっさに、はにかんだ女記者のまえに二、三枚の紙幣をとりだすと、
「これ、手附さ。あいつ達のネタを一週間以内にもってくれば手附の十倍の報酬を進呈するわ。」
「売りこむのは?」
「××の夕刊新聞。」
ふたたびミサコは肥大した女を威喝するように女記者に云った。
「あんた、もし裏切るようなことがあれば妾がどんなことをする女か知っている?」
太く短い女は立あがると、いらいらして部屋を踵のない靴であるいた。やがて落ちつきをとりかえすと女記者がこたえた。
「では、さようなら。マダム。」
「さようなら。あんたは、たのもしい方だわ。」と、彼女が云った。
しおれた女の足音が遠のくと、ミサコは女記者が青バスに太い拳をさしあげるのを見た。ふたたびカーテンを閉すと、強大な彼女の自信が昨夜からの疲労のために惨めにもくずれ始めた。