Japanische Klassiker mit Furigana
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こうい
好意
豊島 与志雄
Lesen Sie 好意 (こうい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.059 Zeichen · 40 Bildschirme
沈黙が続いた。
「では、大事にし給いな、また来るから。」
そう云って私は、お辞儀をするような風に身を屈めて、室から出て行った。
玄関で私は敏子さんに引留められて、茶菓子の馳走になった。女中達が眠そうな眼をしていた。
「あのことについて何とか仰言いましたの。」
「いいえ、何とも。」
暫くすると私の方から云った。
「医者はそうひどいようには云っていなかったんですね。」
「ええ。……でも、悪いんでしょうか。」
「そうでもなさそうですが………。」
低い声でそんな話をしてから、敏子さんは長い間病室の方へ行ったりした。
いつのまにか夜が更けて、もう電車も無さそうだった。私は勧められるままに泊り込んだ。もし吉岡に万一のことがあったら……という思いがいくら追い払ってもちょいちょい顔を出した。春の終りに喀血をして、夏中病床に親しんで、秋風の立つ頃風邪の心地から、急に容態が悪くなった、その全体が一目に見渡された。遅くまで眠れなかった。
後で聞いたのだが、その晩も敏子さんは長く吉岡の側についていた。吉岡はすやすや眠ってる風なのに、突然眼を見開いては、二人共寝てくれと云った。そんなことが何度もあった。