Japanische Klassiker mit Furigana
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ようば
妖婆
Lesen Sie 妖婆 (ようば) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.473 Zeichen · 73 Bildschirme
と、かすかな砂煙の中から囁くような声が起って、そこここに白く散らかっていた紙屑が、たちまちアスファルトの空へ消えてしまう。消えてしまうのじゃありません。一度にさっと輪を描いて、流れるように飛ぶのです。風が落ちる時もその通り、今まで私が見た所では、赤い紙が先へ止まりました。こうなるといかにあなたでも、御不審が起らずにはいられますまい。私は勿論不審です。現に二三度は往来へ立ち止まって、近くの飾窓から、大幅の光がさす中に、しっきりなく飛びまわる紙屑を、じっと透かして見た事もありました。実際その時はそうして見たら、ふだんは人間の眼に見えない物も、夕暗にまぎれる蝙蝠ほどは、朧げにしろ、彷彿と見えそうな気がしたからです。
が、東京の町で不思議なのは、銀座通りに落ちている紙屑ばかりじゃありません。夜更けて乗る市内の電車でも、時々尋常の考に及ばない、妙な出来事に遇うものです。その中でも可笑しいのは人気のない町を行く赤電車や青電車が、乗る人もない停留場へちゃんと止まる事でしょう。これも前の紙屑同様、疑わしいと御思いになったら、今夜でもためして御覧なさい。同じ市内の電車でも、動坂線と巣鴨線と、この二つが多いそうですが、つい四五日前の晩も、私の乗った赤電車が、やはり乗降りのない停留場へぱったり止まってしまったのは、その動坂線