Japanische Klassiker mit Furigana
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ようえい
妖影
大倉 燁子
Lesen Sie 妖影 (ようえい) von 大倉 燁子 (おおくらてるこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.489 Zeichen · 22 Bildschirme
二、妖瞳
何故というのにソースの瓶を取ろうとしてはやる。食塩を取る時もやる。胡椒、果物、何の時でもやるからだ。余り目まぐるしく繰返すので、見ているだけで、こっちの神経がいらいらしてくる。厭な癖だなあと思って見ていると、自分まで伝染してひとりでに手を動かしそうになるのだ。どうもひどく気になる。顔を反向けて、見まいとしても、やはり見ずにはいられないのだ。私は急いで食事をすませるとさっさと食堂を出てしまった。
それからもう一つ気になるのは、お嬢さんが食事中にも拘らず、左の手にだけ手袋をはめていることだ。純白で、それこそ少しの汚点もない、清らかなものなのだが、どうもこれがまた妙に気になる。
二、妖瞳
明朝は船が港へ入るという晩だった。
船が着く前夜はどういうものか眠られない、これは私の癖だった。新らしい任地というものは希望もあるが、また不安もある。赴任する前に長官やら同僚の事など大体調べて、予備知識を得ておくのだが、それでも失敗して随分辛い思いをする事がある。私は甲板の端に甲板用の椅子を持って来て、欄干に腕をのせてぼんやりしていると、例のお嬢さんをお父さんが労わりながら、二人でそろりそろり、と階段を上って甲板へ出て来た。