Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ようふんろく
妖氛録
Lesen Sie 妖氛録 (ようふんろく) von Nakajima Atsushi (中島 敦) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.005 Zeichen · 11 Bildschirme
その後姿を見ながら霊公が行父に言った。「徴舒はお前に似てるぞ!」行父は笑って直ぐに酬いた。「とんでもない。御主君にこそ似ていらっしゃいますよ。」青年夏徴舒は二人の言葉をはっきりと聞いた。父の死に対する疑惑や、母の生活に対する憤懣や、自己の運命に就いての屈辱感や、そうしたものが一時に火となって、彼の中に燃え上った。宴が終って霊公が出て行く時、忽ち一本の矢が飛来って其の胸を貫いた。遥かに離れた廐の闇の中から、爛々と燃える夏徴舒の眼がのぞいている。絶望的な怒りに顫える其の手には、既に、第二の矢が番えられている。
孔寧と儀行父は惶れ慌てて家にも戻らずに、直ぐに其の足で楚国へ難を避けた。
当時の慣いとて、一国に乱が起ると、それを鎮めるという名の下に、必ず他の強国の侵略を受ける。陳の霊公が弑せられたと聞くや、楚の荘王は直ちに軍を率いて、陳の都に入った。夏徴舒は捕えられ、栗門という所で車裂の刑に遭った。陳国の乱の因になった夏姫は、はじめから楚の将士の好奇の眼の的になった。毒々しい妖婦的な容貌を想像していたのに、案外平凡な物静かな女を見出して、失望した者もいる。