Japanische Klassiker mit Furigana
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ようじゅつ
妖術
泉 鏡花
Lesen Sie 妖術 (ようじゅつ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.293 Zeichen · 21 Bildschirme
すぼめた蛇目傘に手を隠して、
「お待ちなすって?」
また、ほんのりと花の薫。
「何、ちっとも。……ゆっくりお参詣をなされば可い。」
「貴下こそ、前へいらしってお待ち下されば可うござんすのに、出張りにいらしって、沫が冷いではありませんか。」
さっさと先へ行けではない。待ってくれれば、と云う、その待つのはどこか、約束も何もしないが、もうこうなっては、度胸が据って、
「だって雨を潜って、一人でびしょびしょ歩行けますか。」
「でも、その方がお好な癖に……」
と云って、肩でわざとらしくない嬌態をしながら、片手でちょいと帯を圧えた。ぱちん留が少し摺って、……薄いが膨りとある胸を、緋鹿子の下〆が、八ツ口から溢れたように打合わせの繻子を覗く。
その間に、きりりと挟んだ、煙管筒? ではない。象牙骨の女扇を挿している。
今圧えた手は、帯が弛んだのではなく、その扇子を、一息探く挿込んだらしかった。
五
紫の矢絣に箱迫の銀のぴらぴらというなら知らず、闇桜とか聞く、暗いなかにフト忘れたように薄紅のちらちらする凄い好みに、その高島田も似なければ、薄い駒下駄に紺蛇目傘も肖わない。