Japanische Klassiker mit Furigana
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ようじゅつ
妖術
泉 鏡花
Lesen Sie 妖術 (ようじゅつ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.293 Zeichen · 21 Bildschirme
空は晴れて、霞が渡って、黄金のような半輪の月が、薄りと、淡い紫の羅の樹立の影を、星を鏤めた大松明のごとく、電燈とともに水に投げて、風の余波は敷妙の銀の波。
ト瞻めながら、
「は、」と声が懸る、袖を絞って、袂を肩へ、脇明白き花一片、手を辷ったか、と思うと、非ず、緑の蔓に葉を開いて、はらりと船へ投げたのである。
ただ一攫みなりけるが、船の中に落つると斉しく、礫打った水の輪のように舞って、花は、鶴の羽のごとく舳にまで咲きこぼれる。
その時きりりと、銀の無地の扇子を開いて、かざした袖の手のしないに、ひらひらと池を招く、と澄透る水に映って、ちらちらと揺めいたが、波を浮いたか、霞を落ちたか、その大さ、やがて扇ばかりな真白な一羽の胡蝶、ふわふわと船の上に顕われて、つかず、離れず、豌豆の花に舞う。
やがて蝶が番になった。
内は寂然とした。
芸者の姿は枝折戸を伸上った。池を取廻わした廊下には、欄干越に、燈籠の数ほど、ずらりと並ぶ、女中の半身。
蝶は三ツになった。影を沈めて六ツの花、巴に乱れ、卍と飛交う。
時にそよがした扇子を留めて、池を背後に肱掛窓に、疲れたように腰を懸ける、と同じ処に、肱をついて、呆気に取られた一帆と、フト顔を合せて、恥じたる色して、扇子をそのまま、横に背いて、胸越しに半面を蔽うて差俯向く時、すらりと投げ