Japanische Klassiker mit Furigana
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つまのざ
妻の座
壺井 栄
Lesen Sie 妻の座 (つまのざ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 82.695 Zeichen · 165 Bildschirme
「だれがひと、あんな連中の手助けなんぞするもんか。」
神戸のその家では閑子がゆくなり待ちかまえていて歓迎のダンス・パーティーをやったというのだ。美しく化粧した母子は、姉妹のように見え、まるで映画に出てくる女優のようだというのだ。みんなきれいな洋服をきて、たがいに甘えたりふざけたり、それは見ていても気色がわるいと閑子は憎さげにいうのだ。
「あんなひとに使われるぐらいなら、死んだ方がましだと思って。」
だが閑子は、ミネたちの主義や希望につながった仕事をさせようとしても、くびを横にふったのである。一つの輪の中で働くことで、自分を高めてゆくことも出来ようとミネは望んだのだが、閑子は、とにかくミネの関係ではいやだといったのだ。その気もちも解るので強いてとはミネはいわなかったのだが、さりとて田舎へも帰れぬ閑子なのだ。そんなことを合せて考えながら、閑子の言葉にただだまってうなずいてばかりいるミネを、閑子は、閑子一流の勘でさとり、いきなり泣き出した。
「どうしたらいいんだろう――どこにも私のいるところがないんだもの――」
大きなからだを畳の上にどっさりと横たえて、はげしくむせびなくのだった。