Japanische Klassiker mit Furigana
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つまのざ
妻の座
壺井 栄
Lesen Sie 妻の座 (つまのざ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 82.695 Zeichen · 165 Bildschirme
雀やさやえんどうが女の生活の中で果すそのあり方が、妙なことにお吉と閑子を比べさせていることにミネはある感慨をおぼえた。雀がえんどうを見向きもしないように、閑子とお吉は縁の遠い人間である。しかも不幸を背負った女であることは同じなのだ。
「よう、顔洗って、めしにしないか。」
再び催促をしながら悠吉は朝の郵便物を一つ一つ裏返してみている。こんなことは珍らしかった。いつもなら朝食前の悠吉は不機嫌を男の権利のように押し出すのだ。それをまたミネの神経がぴんとうけて負けず劣らず対抗するのだが、仕事で疲れているときはお互いにおだやかになった。
「疲れたろう。」
「そうでもない。」
「ひどい顔だよ。すごいイビキだった。」
「あら、そう。」
鼻白んだミネは小さな声になり、
「ごめんね。」
といった。昔はしなかったイビキのくせがついたのはミネが小説などを書くようになってからのことである。まさかそれが仕事と関係があろう筈はないのだが、作家としては年齢的にはおそい出発のミネにとって、ペンをにぎるのは相当の労働であった。そのつかれが四十近くなってのイビキのくせのもとであることはミネの場合間違いのない事だった。