Japanische Klassiker mit Furigana
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つまのざ
妻の座
壺井 栄
Lesen Sie 妻の座 (つまのざ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 82.695 Zeichen · 165 Bildschirme
ミネはうつむいて家にかえった。部屋に入ると、悠吉が待ち構えていた。
「どうした。」
「どうもこうもないわよ。」
つんけんと答える。そして当の仇が悠吉であるかのように、ミネはその前にでんと坐って、
「ずるいわ野村さん、私にだけ因果をふくませようとしてる。閑子は日記をみたきりで、野村さんの口からは何も聞いていないのよ。」
いいながらふとミネは、今日の自分の態度が、閑子を却って野村へ近づけたのではないかと思った。一しょになって、くそみそにやっつけるべきだったのだろうか。しかしどうであろうと結果はもう見えすいていた。そしてその翌日である。野村はそそくさとやってきた。何かに恐怖しているような落ちつかなさで、ミネや悠吉の前に手をつきかんべんしてくれと頭を下げ、それで押し切ろうとする態度だった。それは殿様に土下座する賤民のようにまで卑屈に見えたが、その芯にはもう決して動かされないねばっこさをさとらせた。たった二日閑子が家を開けたことで、ミネに手紙で知恵を求めた必要もなくなり、野村の決意はますます固まったのだろう。必要以上に何度も頭を下げながら彼は、閑子を引きとりにきてくれという。