Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme
お彼岸にお萩餅を拵えたって、自分の女房を敵のように云う人だもの。ねえ、そうだろう。めの字、何か甘いものが好なんだろう。」
「いずれ、何か隠喰さ、盗人上戸なら味方同士だ。」
「へへ、その通り、隠喰いにゃ隠喰いだが、喰ったものがね、」
「何だ、」
「馬でさ。」
「馬だと……」
「旅俳優かい。」
「いんや、馬丁……貞造って……馬丁でね。私が静岡に落ちてた時分の飲友達、旦那が戦争に行った留守に、ちょろりと嘗めたが、病着で、の出るほど食ったんだ。」
主税は思わず乗出して、酒もあったが元気よく、
「ほんとうか、め組、ほんとうかい。」
と事を好んだ聞きようをする。
「嘘よ、貴郎、あの方たちが、そんなことがあって可いもんですか、めの字、滅多なことは云うもんじゃありません、他の事と違うよ、お前、」
「あれ、串戯じゃねえ。これが嘘なら、私の鯛は場違だ。ええ、旦那、河野の本家は静岡で、医者だろうね。そら、御覧じろ、河野ッてえから気がつかなかった。門に大な榎があって、榎邸と云や、お前、興津江尻まで聞えたもんだね。
今見りゃ、ここを出た客てえのは、榎邸の奥様で、その馬丁の情婦だ。
だから私ア、冷かしに行ってやろうと思ったんだ。