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Japanische Klassiker mit Furigana

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おんなけいず

婦系図

泉 鏡花

Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme

Aozora Bunko

えらを一突き、ぐいと放して、

「凹んだな。いつかの新ぎれじゃねえけれど、めの公塩が廻り過ぎたい。」

「そういや、めの字、」

とお蔦は片手を懐に、するりと辷る黒繻子の襟を引いて、

「過日頼んだ、河野さん許へ、その後廻ってくれないッて言うじゃないか、どうしたの?」

「むむ、河野ッて。何かい、あの南町のお邸かい。」

「ああ、なぜか、魚屋が来ないッて、昨日も内へ来て、旦那にそう言っていなすったよ。行かないの、」

「行かねえ。」

「ほんとうに、」

「行きませんとも!」

「なぜさ、」

「なぜッて、お前、あん獣ア、」

お源が慌しく、

「めのさん、」

「何だ。」

「めのさんや。お前さんちょいと、お二階に来ていらっしゃるのはその河野さんの母様じゃないか、気をお着けな。」

帽子をすっぽり亀の子竦みで、

「ホイ阿陀仏、へい、あすこにゃ隠居ばかりだと思ったら……」

「いいえね、つい一昨日あたり故郷の静岡からおいでなすったんですとさ。私がお取次に出たら河野の母でございます、とおっしゃったわ。」

「だから、母様が見えたのに、おいしいものが無いッて、河野さんが言っていなすったのさ、お前、」

「おいしいものが聞いて呆れら。