Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

よめとりむことり

嫁取婿取

佐々木 邦

Lesen Sie 嫁取婿取 (よめとりむことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.654 Zeichen · 175 Bildschirme

Aozora Bunko

「…………」

「何でございますの?」

「あれは主人よ。オホヽ」

「まあ! オホヽ」

と山下夫人も苦しい。

「奥さま」

「はあ」

「私、主人の頭の禿げていることをツケ/\言われたのはこれが初めてでございますよ」

「何うも相済みません」

「オホヽヽヽ」

「オホヽヽヽ」

と二人、又笑い出す。芳紀の春子さんに至っては袂を銜えて突っ伏していた。

「賑かだね。お客さまかい?」

と主人公が襖越しに注意した。

「はあ、一寸」

と奥さんが取り繕って答えた。夫婦と女中以外に誰もいないことを長船君は知っている。感づかれては大変と思って、斎藤さんは態と訊いたのだった。

茶の間は再び静まり返った。

「奥さま、今度はもっと細目にお残しを願います」

と山下夫人が註文した。

「かしこまりました」

「勝手で恐れ入りますが、何うぞお早く、オホヽ」

「まあ/\、御ゆっくり」

「いゝえ、足元の暗い中に、あら、明るい中に」

「オホヽ」

「この通り慌てゝいるんでございますから、何うぞ」

「そこに如才はございません」

と斎藤夫人は第二回用にお菓子を残して置いた。間もなくそれを持って立ったが、今度は気をつけて、一寸ぐらいしか透間を余さなかった。