Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よめとりむことり

嫁取婿取

佐々木 邦

Lesen Sie 嫁取婿取 (よめとりむことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.654 Zeichen · 175 Bildschirme

Aozora Bunko

「私達、決して共謀じゃございませんのよ」

と頻りに弁解した時、

「しかし退っ引きならない責任者が一人ございますわ」

と山下夫人が興じた。

「誰?」

「御主人。オホヽ」

「いゝえ、主人は全くそんな考えじゃなかったんですけれど、覚られてしまったものですから、苦し紛れよ」

「その覚らせたのは御主人よ」

「御無理ね。私達が笑ったからですわ」

「笑った次第が御主人よ」

「お間違えになったのはあなた方のお勝手じゃございませんか?」

「でも、オホヽ」

「何でございますの?」

「髪の毛が生えていたら」

「あらまあ!」

「オホヽヽヽ」

「いつまでも祟る禿頭ね」

と斎藤夫人も笑い出した。

次の日曜に春子さんと長船君は斎藤家の客間で再び顔を合せた。

「俺がいると又間違が起るから」

と言って、主人公は朝から出てしまった。奥さんが二人の間を然るべく斡旋する手筈だった。しかし長船君は有名な堅人だから、唯角張って控えている。春子さんも伏目になって、モジ/\している。奥さんは長いこと独りでお喋りをした後、これは席を外す方が宜いと思って、

「それでは何うぞ御ゆっくり御話し下さい」

と一礼した。

「奥さま」

と春子さんが慌てゝ伸び上った。