Japanische Klassiker mit Furigana
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よめとりむことり
嫁取婿取
佐々木 邦
Lesen Sie 嫁取婿取 (よめとりむことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.654 Zeichen · 175 Bildschirme
「然うでもないが、高商出身で鉄瓶屋というと如何にも下司張っている。俊一、お前は然う感じないかい?」
「さあ」
「金属以外に些っとも色彩がない」
「それは何うせ哲学者とは多少違いましょう」
と俊一君は暗に長船君を諷した。
「高商と仰有いますけれど、商大でございますよ。商学士じゃありませんか?」
とお母さんも然う/\文学士法学士ばかりに花を持たせたくない。
「今は商大でも昔は高商さ」
「しかしもうずっと以前に昇格しているんです」
と俊一君も学閥問題になると常にお父さんを遺憾に思っている。
「俺の学生時代には一段下に見ていたものだ」
「以前は専門学校でしたから、仕方ありませんが、昨今は帝大と対等です。お父さんの会社でも卒業生を採用する時、同待遇じゃありませんか?」
「縞のズボンなんか穿いて、軽薄な奴等ばかりいる学校だったよ」
と山下さんの頭には商大がない。三十年昔の高商がいつまでもこびりついている。
鉄瓶が売れるか売れないかの争論はこの引き続きだった。夫人は時々伺いを立てるけれど、要領を得ない。山下さんはその都度未だ考え中だと言う。
「あなた、安子も進まないようですから、いっそのこと早くお断りになったら如何でございましょう?」