Japanische Klassiker mit Furigana
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よめとりむことり
嫁取婿取
佐々木 邦
Lesen Sie 嫁取婿取 (よめとりむことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.654 Zeichen · 175 Bildschirme
高円寺道の深さ
と三郎君は何処までも論理的にこなして行く。
高円寺道の深さ
「唯今」
と言って、長船君は玄関の格子を開けた。小学生が学校から帰ったようだが、この唯今には謂われがある。以前は、
「唯今戻った」
とやったものだ。しかし春子さんは嫁ぐと間もなく、
「あなた。唯、『帰ったよ』と仰有って戴けませんこと?」
と註文した。
「何故?」
「お芝居の真似みたいで変じゃございませんか? この間郵便屋さんが来合せて笑っていましたわ」
「ふうむ」
「自分の家ですもの、そんなに改まらなくても宜しいじゃございませんか?」
「しかしお母さんに具合が悪い」
「何故でございますの?」
「お父さんも確か然う仰有ったようだから、家風を崩したくないのさ」
と長船君は主張したが、結局、
「唯今」
丈けに改めたのである。しかしお母さんの姿が見えると、
「唯今戻った」
と完全にやり直す。
「あなた、里へお出になった時、『頼もう』と仰有るのはよして戴けませんこと?」
と春子さんは又註文した。
「何故?」
「皆が後で笑うんですもの」
「むずかしいんだね、お前の里は」
「あなたがむずかしいことばかり仰有るからですわ」
「それじゃ何と言えば宜い?」