Japanische Klassiker mit Furigana
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よめとりむことり
嫁取婿取
佐々木 邦
Lesen Sie 嫁取婿取 (よめとりむことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.654 Zeichen · 175 Bildschirme
「私、そのもの字が気に入りませんわ」
「俊一が悪いのよ。いつまでも茶目でね」
「石部金吉だなんて、他に些っとも欠点がないものですから」
と春子さんもこれぐらい三郎君に打ち込んでいれば間違ない。
「春子や」
「何でございますか?」
「実は私、この間から三郎さんのことでお前に話したいと思っていたんですが、機嫌を直して聞いてくれる?」
「悪口でなければ承わりますわ」
「私が三郎さんの悪口を言う次第もないじゃありませんか?」
「それじゃ何? お母さん」
「俊一も決して好いことはありませんが、三郎さんも少し遠慮がなさ過ぎはしませんの?」
「直ぐに然うじゃございませんか?」
「何が?」
「もう悪口ですもの」
「いゝえ、有りのまゝのお話よ」
「三郎こそ遠慮していますわ。四谷へ行くと皆が洒落を言って、それが分らないと笑うから、窮屈だってこぼしていますわ」
「余り窮屈でもないようよ。お出になると、直ぐに俊一と議論ですからね」
「それは仕方がありませんわ。兄さんの思想が悪いんですもの」
「春子や、お前、それじゃお話も何も出来ないわ」
「でも、三郎は兄さんの身の上を心配して、種々と言い聴かせて上げるんですもの」