Japanische Klassiker mit Furigana
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うちゅうせんぺい
宇宙尖兵
海野 十三
Lesen Sie 宇宙尖兵 (うちゅうせんぺい) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.974 Zeichen · 72 Bildschirme
「ちょいとベラン氏。あたしは脱退を決定したわけじゃありませんから、へんなこと言いっこなしよ」
ベラン夫人ミミが、横から抗議した。それを聞いてベラン氏はまた一層赭くなって、
「愛するミミよ。間違った信念を持つ艇長に、僕たちの尊い青春を形なしにされてしまうなんて莫迦莫迦しいじゃないか。今のうちなら、地球へ戻ってくれといえば、艇長も承知してくれるよ」
「今更地球へ戻ってから又出直すなんて、そんなことは出来ませんよ。あの艇長が、かねて決定しておいた航程を貴方ひとりのために変更することはあり得ませんよ」
「そんなわからん話はない。とにかく僕は掛合わないじゃいられない」
「ねえベラン氏、みっともないことは、もうよしたらどう。それに今更地球へ戻ってみても、あたしたちは高利貸と執達吏とに追駆けられるばかりよ」
ミミに痛いところを突込まれ、ベランは茹で蛸のようになって、只呻るばかりだった。
僕が青春問題を片附けたと思ったら、こんどはベランが青春問題に煩いだした。妙なことである。
「ミミよ。お前にちょっと話がある。部屋へ一緒にいってくれ」
まだ諦められないらしく、ベランは愛妻ミミ女史を引立てるようにして、倶楽部を出ていった。