Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うかのちょうじゃものがたり

宇賀長者物語

田中 貢太郎

Lesen Sie 宇賀長者物語 (うかのちょうじゃものがたり) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.427 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

ある夜懲りずに忍んで来た修験者が、寝室の口から覗いて見ると、切燈台の壮い男は頭から明の点った瓦盃をおろして、こくりこくりと居睡りをしておりました。修験者は己の忍び込んで来ていることを忘れて飛び込んで来ました。

「こらッ、横道漢!」と云って、壮い男の頭に拳を加えました。壮い男は驚いてうろうろしておりました。

几帳の陰から女があらわれました。

「かってに入って来て狼藉をなさるのは何人」

「私だ、これが瓦盃をおろして横道をきめておったから、折檻に入りました」と修験者が云いました。

「これに不都合があれば、私が折檻します、あなたはお帰りください」

「あなたは私を忘れましたか」と、修験者は恨を籠めた詞で云いました。

「私は何も忘れました、お帰りください」と、女は叱るように云いました。

修験者は凄い眼をして、女の顔を見い見い出て往きました。

女はおろおろしている壮い男の傍を通って、几帳の陰に隠れましたが、眼が冴えて物淋しくなりましたから、声をかけて壮い男を呼びました。

女と壮い男との間はその夜から非常に接近しました。そして、二人で修験者を恐れるようになったのは、それから間もないことでありました。