Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うかのちょうじゃものがたり

宇賀長者物語

田中 貢太郎

Lesen Sie 宇賀長者物語 (うかのちょうじゃものがたり) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.427 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

※(ローマ数字2、1-13-22)

あったよ」と云って、壮い男は悲しそうな顔をしました。

「そうか、それは可哀そうだ、女のところへ帰りたいだろうな」と、老人は海の方を見て云いました。

「帰りたい、どうしたら帰れるだろう」と、壮い男は問いました。

「この海のふちを西へ西へ往けば、帰れないことはないだろうが、見張りが厳しいから逃げられない、もし逃げ出して捕まろうものなら、どんな目に逢わされるか知れやしない」

老人がこう云いかけた時に、磯の方から三人の仲間の塩汲があがって来ました。三人の中の一人は、十三四歳の小供でありました。前には四十格好の脊の高い男がおりました。その男は陸の方で何か見つけたと見えて、「鬼が来たよ、鬼が来たよ」と周章てて云いました。

老人と壮い男はその声を聞くと飛びあがるように起ちあがって、塩汲桶を肩にして歩きだしました。陸の麦畑の間にある路から、中脊の肥満った傲慢な顔をした長者が、赤樫の杖を引摺るようにしてあるいて来るところでありました。麦畑のはてには、長者の邸の構えのなかに建てつらねた、堅魚木のある檜肌葺の屋根が幾棟となく見えておりました。

※(ローマ数字2、1-13-22)