Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あんごのしんにほんちり

安吾の新日本地理

坂口 安吾

Lesen Sie 安吾の新日本地理 (あんごのしんにほんちり) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.085 Zeichen · 48 Bildschirme

Aozora Bunko

小売市場は二ツあって、一ツは加工品専門だ。これにはおどろいたね。多くの人口が加工業でうるおッているわけですよ。こんなにいろいろの加工品があるものだとは知らなかった。みんな東京へ送りだされているそうだが、私は百貨店の食料品部などを訪問することがないから、てんでお目にかかったことのない品物ばかりさ。なんというのか知らないが、たいがいはハンペンやチクワの一族らしく、ゴボー巻きもあるし、焼いたり揚げたりしたのもあるし、丸太ン棒のような魚の干物もいろいろあらア。ノリが多いし、いろんな海草の加工品もまた多いね。

カツオとマグロはカンヅメになって米国へ輸出されるが、これが七面鳥の味に似ているので大モテだそうだ。そう云えば私も思い当るよ。私は今年の元旦にアメリカの飛行機にのったら、ボイルした七面鳥の肉を食わされたね。私はそれを食いながら、そのとき、すぐ思った。私がむかし京都伏見の天下に稀れな安食堂の二階に下宿してゴロゴロしていたころ、毎日のようにボイルしたカツオ、これをナマリと云うそうだが、毎日々々食わされたネ。つまり一番安いからだろうね。なんしろ一食が金十二銭だからね。