Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あんごのしんにほんちり

安吾の新日本地理

坂口 安吾

Lesen Sie 安吾の新日本地理 (あんごのしんにほんちり) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.574 Zeichen · 49 Bildschirme

Aozora Bunko

そんなに珍味なのか、よし、やろう、というので、これをお好み焼きにしたことがある。臭い物だよ。特別な調味料で、特別な料理法があるのであろう。しかし、よろこんで食った豪傑もいた。私はもう匂いだけで吐きそうになった。

ホルモン焼きというのは染太郎のオカミサンが勝手にこしらえた言葉だと思っていた。彼女も漫才屋の内儀であり、こういうエゲツない私製の言葉を発案愛用するような性癖があるからである。

ところが、大阪は新世界のジャンジャン横丁を歩いたら、おどろいたね。ここはホルモン焼きの天国だよ。人々はホルモン焼きを餓鬼の如くにむさぼり食っているが、決して地獄ではない。数丁にわたるジャンジャン横丁全体がホルモン焼きの煙と匂いにつつまれ、どの店も立錐の余地もなく労働者がホルモン焼きの皿をかかえてムシャぶりついている。どの店の看板にもモツ焼きなどと本来の名はなく、ただハッキリとホルモン焼き。しかもどの労働者もヒジをはり顔を皿にくッつけて無念無想にムシャぶりついているのだ。みんな淀橋太郎である。煙りも匂いもムシャぶりつく人々の身構えも、すべて食慾を感じさせること夥しい。