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Japanische Klassiker mit Furigana

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あんごしたん

安吾史譚

坂口 安吾

Lesen Sie 安吾史譚 (あんごしたん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.002 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

海舟は夢酔二十二の年に生れたから、彼もオヤジの座敷牢生活の産物であるかも知れん。これがオヤジ一世一代の神妙な三年間で、その間に手習いしたり海舟をこしらえたりしたのであった。

ところが、座敷牢はこの一度ではすまず、三十七というよい年になって、また座敷牢へ入れられようとした。そのとき長男海舟は十六、貧乏暮しの不平も云わずシシとして勉学に励みオヤジには篤く孝行をつくし弟妹をいたわってよく面倒をみてやるという大そうな模範少年に育っていた。

今回の夢酔はハイと云って座敷牢には入らない。

「私も昔とちがって今では人に知られた顔になっていますから、ここへ入ればもう出ません。断食して一日も早く死にます。私が長生きすると息子がこまるばかりだから、死んだ方がマシのようだ。生きていてはとても改心の見込みはありません。また改心いたそうなぞとは毛頭考え及びません」

という返事で、どうしても断食して死ぬツモリらしいから、座敷牢へ入れられずに家へ帰された。すると夢酔はその足で吉原へ遊びに行った。

十六の息子と位置を取りかえた方がいいぐらい三十七のオヤジは強情なダダッ子にすぎないようだが、息子の海舟にとっては、たのもしい力のこもったオヤジであったろう。