Japanische Klassiker mit Furigana
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あんごこうだん
安吾巷談
Lesen Sie 安吾巷談 (あんごこうだん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.016 Zeichen · 48 Bildschirme
四月十五日に探険して、それから一週間もすぎて、まだこの原稿にかかっているにはワケがある。
私も上野ジャングルには茫然自失した。私がメンメンとわが不良の生涯を御披露に及んだのも、かかる不良なる人物すらも茫々然と自ら失う上野ジャングルを無言のうちに納得していただこうというコンタンだった。
上野ジャングルに於て、私が目で見、耳できいた風物や言語音響を、いかに表現すべきかに迷ったのである。読者に不快、不潔感を与えずに表現しうるであろうか。そッくり書くと気の弱い読者は嘔吐感を催してねこんでしまうかも知れんが、その先に雑誌が発売禁止になってしまうよ。
新宿交番が酔っ払い事件の応接にイトマなく、ただもうムヤミに忙しいのにくらべると、上野の杜の交番は四辺シンカンとしてシジマにみち、訪う人もなく、全然ノンビリしている。ノンビリせざるを得んのである。一足クラヤミの外へでて、ヤミに向って光をてらすと、百鬼夜行、ジャングル満山百鬼のウゴメキにみちている。処置がない。
新宿は喧噪にみち、時に血まみれ事件が起っても、万人が酔えば自らも覚えのある世界であり、事件であって、我々自身の生活から距離のあるものではない。