Japanische Klassiker mit Furigana
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あんごこうだん
安吾巷談
Lesen Sie 安吾巷談 (あんごこうだん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.267 Zeichen · 27 Bildschirme
そうか。こッちの男は石川淳という名前か。
ダンスが終った。
「石川先生を、どうしたらよろしいですか」
と兵隊が心配して私にきくから、
「よろし。よろし」
私は彼を安心させてやるために、いとも自信ありげにこう答えてやった。実際、自信があったのだ。
この人、ええと、石川淳という名前か。この人はあの子が気に入ったなどゝいうことを、コンリンザイ、言いたいけれども、言えないというタチなのである。しかし、巷談師のとぎすまされた心眼には凄味がある。ジッと二百名の美姫をにらんだアゲクに、最も優美豊艶、容姿抜群、白百合のような気高い子を招きよせて、石川淳の肩をたたいて、
「この子が君と寝室に於てビールをのみたいと云っている」
彼は心眼によってみんな見抜かれたバツの悪さをあらわさずに、とたんにニンマリと笑みをふくんで、
「や。ありがとう」
と、言った。たった一語、この一語のほかの言葉は有りえないという充足した趣きがこもっていた。
私は人の世話をやいてやって、大失敗したのである。さて、いよいよわが目ざす美姫、黒白ダンダラのイヴニング。ところが、人の世話をやいてるうちに、ほかの男と約束ができて、手オクレであった。