Japanische Klassiker mit Furigana
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じっけんしつのきおく
実験室の記憶
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 実験室の記憶 (じっけんしつのきおく) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.440 Zeichen · 13 Bildschirme
真空について一つの例を挙げよう。容器を熔融水晶で作ることはあまり珍しくないとして、その枝の管から導線を引き出す場合、絶対に空気が漏れず、かつ一度封じてしまえば二度とそこには気を使わなくてもよいようにするには次の方法を採るのである。すなわち水晶管の頭にそれにきっちり合う真鍮の冠をかぶせ、その冠の孔から導線を引き出して、はんだでつける。そして全体をさわれないくらい熱くしておいて封蝋を塗り、その上をさらにすっぽり封蝋でつつんでしまうのである。封蝋というものは表面をてらてらに仕上げないと真空にはもたぬもので、その仕上げをするには、硝子管の頭をひきのばして、細くした口から、ガスを出して小さい焔を作り、その炎の先端から少し離れた所の熱せられた空気流を使うのである。ガスを送るゴム管は軟かい薄肉のものでないと、取扱いに不便である。手勝手の悪い操作をするのが、大切な容器をこわす一番の原因となる。
硝子管の図
これだけの注意をしておけば、ちょっとくらい導線に無理をしても、ここから空気の漏れる心配はない。すなわちこの点には二度と気を使う必要はないのである。もっとも水晶に針金を封じ込む方法はちゃんとあるので、こういう旧式な手法を墨守するのは少し馬鹿気ているという議論も出るかもしれない。