Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よい(ひとまく)

宵(一幕)

宮本 百合子

Lesen Sie 宵(一幕) (よい(ひとまく)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.834 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

と子守が節をつけてあやしているのが聞える。

子供は泣き止まない。

やす子 (独白)困るわね、泣くと連れて来るんですもの。

やす子、子守に負けるものかというように食器を盆にのせたり、水焜炉(こんろ)の火を長火鉢に移したりする。

がとうとう気になって堪らなくなった声で子守を呼ぶ。

やす子 たみ、こちらへ連れておいで。

待ちかねていたように、「はい」と返事が聞える。上手の縁側から、たみ、白い前掛に、染絣(そめがすり)の着物、赤まじりの帯で、つや子を抱いて来る。

つや子は、可愛らしい友禅の袖なし、大きな犬張子の縫をしたエプロンをかけた、色白の肥った愛らしい子、右の手で耳の辺を払うようにしては啜りあげている。母の顔を涙の裡から見て、小さい手を延す。

やす子 はい、はい、つやちゃんや、どうしたの、え?(可愛くて堪らなそうにたみの手からとり、頬ずりをする。顔を離し)ばあ!(と笑う)

さあ、いいお顔をして頂戴、いいお顔はどんなお顔? ほら、いないいないばあ! ね、父ちゃま、はいはいはい!

つや子を膝の上に立たせ、笑わせようとする。たみ傍に膝をついて、手を打ちながら笑って見せている。