Japanische Klassiker mit Furigana
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よい(ひとまく)
宵(一幕)
宮本 百合子
Lesen Sie 宵(一幕) (よい(ひとまく)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.834 Zeichen · 18 Bildschirme
(注意を全く手紙に奪れている。読むにつれて、次第に陰気な、険しい表情が眉宇(びう)の間に漲って来る)
やす子 (それに心付き、心配そうに小声で訊く)どうなすったの?
良 三 (無言。口元が激した感情で、次第に緊張して来る。読み終ると、ぞんざいに、巻紙を拡げたまま卓子(テーブル)の上になげ出す)フム!(溜息と共に吐く)
やす子 (思わず愕然とする)まあ! どうなすったのよ、ほんとに。(手紙と良三を素早く見較べる)何と云ってお寄来しになりましたの、見てもいいでしょう?(手紙を取ろうとする)
良 三 まあお待ち。僕が読んでやる。(感情を強いて制した語勢)あの奥さんが、また芝居気を出したのさ。つまらない。こんなものを寄来して、どうしようというんだ!
やす子 そんなに亢奮なすったって仕様がないじゃあないの? だから何と云ってお寄来しになりましたって云うのに。
良 三 じゃあいいかね、読むよ(わざと、手紙に対しての侮蔑を示すような、おどけかた)よく聞いておいで。(以下文面)
拝啓、朝夕は風も身にしみる時節となりました。先生は相変らず御健勝、御活動のことと大慶に存じ上げます。