Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かていのひとへ

家庭の人へ

寺田 寅彦

Lesen Sie 家庭の人へ (かていのひとへ) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.527 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

そうしていろいろやってみて、考えてみてどうしても分らない疑問が起ったときに行きあたって、そこで適当な書物を読めば、その時に初めて書物の知識が本当の活きた知識になるのである。それまでは何度読んでも結局はただの活字の行列を見物しているのもたいしたちがいはなさそうである。(昭和六年六月『家庭』)

こわいものの征服

ある年取った科学者が私にこんな話をして聞かせた。私は子供の時から人並以上の臆病者であったらしい。しかし私はこの臆病者であったということを今では別に恥辱だとは思っていない。むしろかえってそうであったことが私には幸運であったと思っている。

子供の時分にこの臆病な私の胆玉を脅かしたものの一つは雷鳴であった。郷里が山国で夏中は雷雨が非常に頻繁であり、またその音響も東京などで近頃聞くのとは比較にならぬほど猛烈なものであったような気がする。これは単に心理的にそう思われたばかりでなく実際物理的にもそうであろうと思われる。そうしてその恐ろしさは単に落雷が危険であるからという功利的な理由からよりも、むしろ超自然的な威力が空一面に暴れ廻っているように感じられるためであった。