Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme

Aozora Bunko

その時実は起って行って、戸棚の中から古い箱を取出した。塵埃を払って、それを弟の前に置いた。

「これは三吉の方へ遣って置こう」

と保管を托するように言った。父の遺筆である。忠寛を記念するものは次第に散って了った。この古い箱一つ残った。

「どれ、話すことは早く話して了おう」と森彦が言出した。

お俊は最早気が気でなかった。母は、と見ると、障子のところに身を寄せて、聞耳を立てている。従姉妹は長火鉢の側に俯向いている。彼女は父や叔父達の集った部屋の隅へ行って、自分の机に身を持たせ掛けた。後日のために、よく話を聞いて置こうと思った。

「そんなトロクサいことじゃ、ダチカン」と森彦が言った。「満洲行と定めたら、直ぐに出掛ける位の勇気が無けりゃ」

「俺も身体は強壮だしナ」と実はそれを受けて、「家の仕末さえつけば、明日にも出掛けたいと思ってる」

「後はどうにでも成るサ。私も居れば、三吉も居る」

「むう――引受けてくれるか――難有い。それをお前達が承知してくれさえすれば、俺は安心して発てる」

こういう大人同志の無造作な話は、お俊を驚かした。彼女は父の方を見た。父は細かく書いた勘定書を出して叔父達に示した。