Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、家の周囲に元気よく遊んでいる近所の娘達を羨むような様子して、子供らしい眼付で父の方を見た。

「房ちゃん、御土産が有るぜ」

と三吉は美しい色のリボンをそこへ取出した。彼は、食のすすまない子供の為にと思って、ミルク・フッドなども買求めて来た。

「へえ、こんな好いのをお父さんに買って頂いたの」

とお雪もそこへ来て言って、そのリボンを子供に結んでみせた。

「房ちゃんは何か食べたかネ」と三吉は妻に尋ねた。

「お昼飯に、お粥をホンのぽっちり――牛乳は厭だって飲みませんし――真実に、何物も食べたがらないのが一番心配です」

「ねえ、房ちゃん、御医者様の言うことを聞いて、早く快く成ろうねえ。そうすると、父さんが房ちゃんに好く似合うような袴を買ってくれるよ」

こう父に言われて、お房は唯黙頭いた。やがて復た横に成った。

「ああ、父さんも疲れた」と三吉は子供の側へ身体を投出すようにした。「菊ちゃんが居なくなって、急に家の内が寂しく成ったネ。ホラ、父さんが仕事をしてる時、机の前に二人並べて置いて、『父さんが好きか、母さんが好きか』と聞くと、房ちゃんは直に『父さん』と言うし――菊ちゃんの方は暫時考えていて、『父さんと母さんと両方』