Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
それに、芸者屋へ入り込むというやつは、あまり気の利いたものじゃ有りませんからネ」
と言いかけて、正太は対岸にある建物を叔父に指して見せて、
「彼処に会社が見えましょう。あの社長とかが向島を贔顧にしましてネ、箱根あたりへ連れてったそうです。根引の相談までするらしい……向島が、どうしましょうッて私に聞きますから、そんなことを俺に相談する奴が有るもんか、どうでもお前の勝手にするサ、そう私が言ってやった……でも、向島も可哀相です……私の為には借金まで背負って、よく私に口説くんです、どうせ夫婦に成れる訳じゃなし……」
正太は黙って了った。三吉も沈んだ眼付をして、しばらく物を言わずに歩いた。
「そうそう」と正太は思い付いたように笑い出した。「ホラ、此頃、雪の降った日が有りましたろう――ネ。あの翌日でサ。私が河蒸汽で吾妻橋まで乗って、あそこで上ると、ヒョイと向島に遭遇しました。半玉を二三人連れて……ちっとも顔を見せないが、どうしたか、この雪にはそれでも来るだろうと思って、どれ程待ったか知れない、今日はもうどんなことがあっても放さない、そう言って向島が私を捕えてるじゃ有りませんか。