Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
姉弟は顔を見合せて笑った。
豊世も仕度が出来た。やがて出発の時が来た。炉辺には、お種をはじめ、お仙、幸作夫婦、薬方の衆まで集って、一緒に別離の茶を飲んだ。
三吉達を見送ろうとして、お島とお仙の二人は町はずれまで随いて来た。
こういう道中をあまりしたことの無い豊世は、三吉と一緒に余儀なく歩かせられた。旧い木曾路は破壊される最中であった。時々、岩石の爆裂する音が起った。大きな石の塊が可恐しい響をさせて、高い崖の上から紅葉した谷底の方へゴロゴロ転がり落ちて行った。
「女が、独りでなんぞ、とても通られる時じゃ有りませんネ」
と豊世は叔父に随いて歩きながら言った。
都会風な豊世の風俗は、途中に仕事をしている労働者の眼を引き易かった。どうかすると、十人も二十人も「ツルハシ」を手にした工夫の群が集って、石や土を運ぶことを休めて、道を塞いでいた。
大きな森林は三吉の眼前に展けて来た。路傍には自然と足を留めさせるような休茶屋がある。樹木の間から、木曾川の流れて行くのが見える。そういうところへ寄って、三吉が豊世を休ませようとすると、かみさんが茶を運んで来て、「奥さんは、今日は何処から?」