Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
彼は、夏中手伝いに来ていて貰った時のような、親しい、楽々とした気分で、この娘と対い合うことが出来なかった。何となく堅くなった。
「森彦叔父さん、私は学校の帰りですから」とお俊が催促するように言った。
「そうかい。じゃ着物は宜しく頼みます。母親さんにそう言って、可いように仕立てて貰っておくれ」
旅舎生活する森彦は着物の始末をお俊の家へ頼んだ。お俊は長い袴の紐を結び直して、二人の叔父に別れて行った。
漸く三吉は平常の調子に返って、一日家を探し歩いたことを兄に話した。直樹が家の附近は、三吉も少年時代から青年時代へかけての記憶のあるところで、同じ町中を択ぶとすれば、なるべく親戚や知人にも近く住みたい。それには、旧時直樹の家に出入した人の世話で、一軒二階建の家を見つけて来た。こんな話をした。
「時に、延もお愛ちゃんの学校へ通わせることにしました」と三吉が言った。「その方があの娘の為めにも好さそうです」
森彦は自分の娘が兄の娘に負けるようでは口惜しいという眼付をした。
「まあ、学校の方のことは、お前に任せる……俺の積りでは、延に語学をウンと遣らせて、外交官の細君に向くような娘を造りたいと思っていた。