Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
その時、三吉はこの人の熱い情を読んだ。若々しい、心の好さそうな、そして気の利いた勉の人となりまでも略想像された。温泉に行った人達の帰りは近づいたらしく思われた。読んだ手紙は元の通りにして、妻が帰って来て見ても、ちゃんと箪笥の上に在るようにして置いた。
お雪とお福の二人は洋傘を持って入って来た。お雪は温泉場の前に展けた林檎畠、青々と続いた田、谷の向に見える村落、それから山々の眺望の好かったことなどを、妹と語り合って、復た洗濯物を取込むやら、夕飯の仕度に掛るやらした。
やがて家のものは食卓の周囲に集った。お雪は三吉と相対に坐って、楽しそうに笑いながら食った。彼女の眼は柔順と満足とで輝いていた。時々三吉は妻の顔を眺めたが、すこしも変った様子は無かった。三吉は平素のように食えなかった。
一夜眠らずに三吉は考えた。翌日に成ってみると、お雪や勉が交換した言葉で眼に触れただけのものは暗記じて了った程、彼の心は傷み易く成っていた。家を出て、夕方にボンヤリ帰って来た。
夫の好きな新しい野菜を料理して、帰りを待っていたお雪は、家のものを蒐めて夕飯にしようとした。土地で「雪割」