Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
「吾儕は友達ではないか――どこまでも友達ではないか――互に多くの物に失望して来た仲間同志ではないか」この思想は、三吉に取って、見失うことの出来ないものであった。
ここから三吉は曾根へ宛てて最後の別離の手紙を書いた。「――あるいは、これを好しとみ給うの日もあるべきかと存じ候」と書いた。
この長く御無沙汰するという手紙を、三吉はお雪を呼んで見せた。それから、彼はすこし改まったような、決心の籠った調子で、こう言出した。
「お断り申して置きますが、僕の家は解散して了いますから」
「ええ……どうでも貴方の御好きなように……私は生家へは帰りませんから」
とお雪は恨めしそうに答えた。
何故夫が曾根への手紙を見せて、同時に家を解散すると言出したかは、彼女によく汲取れなかった。で、その手紙のことに就いては、「そんなことを為さらないたッても可いでしょうに……」と言ってみた。
その時、お雪は不思議そうに夫の顔を熟視って、「誰も暇が貰いたくて、下さいと言うものは有りゃしません」と眼で言わせていた。復た彼女は台所の方へ行って働いた。
湯から帰って来た直樹は、縁側に出て、奥の庭を眺めた。