Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
やがて、すこし萎れて、前曲みに西の方を覗くようにしながら、
「その頃と見ると、君も大分変った」
と言われて、西は黙って記者を熟視た。三吉は二人の周囲を歩いていた。
三人は線路を越して、下りの汽車を待つべきプラットフォムの上へ出た。浅間へは最早雪が来ていた。
「寒い寒い」と西は震えながら、「僕は汽車の中で凍え死ぬかも知れないよ」
「すこし歩こう」と三吉が言出した。
「そうだ。歩いたら少しは暖かに成る」と言って、西は周囲を眺め廻して、「この辺は大抵僕の想像して来た通りだった」
三吉は指して見せた。「あそこに薄すらと灰紫色に見える山ねえ、あれが八つが岳だ。ずっと是方に紅葉した山が有るだろう、あの崖の下を流れてるのが千曲川サ」
「山の色はいつでもあんな紫色に見えるのかい。もっと僕は乾燥した処かと思った」
「今日は特別サ。水蒸気が多いんだね。平常はもっとずっと近く見える」
「それじゃ何ですか、あれが甲州境の八つが岳ですか――あの山の向が僕の故郷です」と記者が言った。
「へえ、君は甲州の方でしたかねえ」と西は記者の方を見た。
「ええ、甲州は僕の生れ故郷です……ああそうかナア、あれが八つが岳かナア。