Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
とその無智な眼が言った。
正太は一種の矜持を感じた。同時に、この隠居にまで拝むような眼で見られる自分の身を煩く思った。
漠然とした反抗の心は絶えず彼の胸にあった。「どうしてこう家のものは皆な世話を焼きたがるだろう、どうしてこうヤイヤイ言うだろう――もうすこし自分の自由にさせて置いて貰いたい」これが彼の願っていることで、一々自分のすることを監視するような重苦しい空気には堪えられなかった。
田舎風の屋造のことで、裏口から狭い庭を通って、表の方へ抜けられる。表座敷へ通う店頭の庭のところで、三吉、正太の二人は沢田老人の訪ねて来るのに逢った。
「沢田さんですか。やはり吾家の内職をしています――薬の紙を折ってます」
こう正太は三吉に話した。
直樹の叔父にあたるこの神経質な老人の眼は、又、こんなことを言った。「正太様――お前さまの祖母様や母上様は皆な立派な旧家から来ておいでる……大旦那は学問を為過ぎたで、それで不経済なことを為っせえたが、お前さまは算盤の方も好くやらんと不可ぞなし……お前さまの責任は重いぞなし……」
正太はこういう人々の眼から遁れたかった。
表座敷へ戻って、向の山の傾斜がよく見えるようにと、三吉はすっかり障子を開け展げた。