Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
「両為とは、老人も書いてくれた」
こう達雄は、三吉にその手紙を見せて、笑った。この老人の倹約なことは、封筒や巻紙を見ても知れた。
いよいよ三吉の発って行くべき日が近づいた。復た何時来られるものやら解らないから、と言って、達雄は酷く名残を惜んだ。三吉が表座敷で書いた物をも声を出して通読してみた。薬の方の多忙しいところを見て貰ったのが、何より東京への土産だ、とも話した。
「三吉さん、来て御覧なさい。君に御馳走しようと思って頼んで置いた物が、漸く手に入りましたから」
と達雄は炉辺へ三吉を呼んで言った。三吉も帰る仕度やら、土地の人の訪問を受けるやらで、心はあわただしかった。
「三吉」と姉も名残を惜むという風で、「お前さんに食べさせてもやりたいし、持たせてもやりたいと思って、今三人掛りで、この蜂の子を抜くところだ。見よや、これが巣だ。えらい大きな巣を作ったもんじゃないか」
五層ばかりある地蜂の巣は、漆の柱を取離して、そこに置いてあった。お種はお仙やお春と一緒に、子は子、親に成りかけた蜂は蜂で、一々巣の穴から抜取っていた。この地蜂は、蜜蜂などに比べるとずっと小さく、土地の者の珍重する食料である。