Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
四
しかし三吉は後の方を択んだ。
春の新学期の始まる前、三吉は任地へ向けて出発することに成った。仙台の方より東京へ帰るから、この田舎行の話があるまで――足掛二年ばかり、三吉も兄の家族と一緒に暮してみた。復た彼は旅の準備にいそがしかった。彼は小泉の家から離れようとした。別に彼は彼だけの新しい粗末な家を作ろうと思い立った。
四
三吉は発って行った。一月ばかり経って、実は大島先生からの電報を手にした。名倉の親達は娘を連れて、船に乗込む、とある。名倉とは、大島先生が取持とうとする娘の生家である。
「来る来るとは言っても、この電報を見ないうちは安心が出来なかった。先ず好かった――実に俺は心配したよ」
こう実はお倉を奥座敷へ呼んで言って、早速稲垣をも呼びにやった。稲垣は飛んで来た。
「へえ、名倉さんでは最早御発ちに成ったんですか。船やら――汽車やら――遠方をやって来るなんて容易じゃ有りません」
と稲垣も膝を進める。賑かな笑声は急に家の内に溢れて来た。
実の机の上には、何処の料理店で式を挙げて、料理は幾品、凡そ幾人前、酒が幾合ずつ、半玉が幾人、こう事細かに書いた物が用意してあった。