Japanische Klassiker mit Furigana
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さむいひのこと
寒い日のこと
小川 未明
Lesen Sie 寒い日のこと (さむいひのこと) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.585 Zeichen · 6 Bildschirme
それは、もう冬に近い、朝のことでした。一ぴきのとんぼは、冷たい地の上に落ちて、じっとしていました。両方の羽は夜露にぬれてしっとりとしている。もはや、とんぼには、飛び立つほどの元気がなかったのです。
昨日の夕方、彼は、この山茶花のところへ飛んできました。さびしくなった圃の方から夕日の光を身に受け、やってきて、この美しい、紅い花を見たときに、とんぼは、どんなに喜んだでありましょう。
「まだ、こんなに、美しい花が咲いているではないか。そう悲しむこともない。」と、思ったのでした。
彼は山茶花の葉の上に止まりました。そこにも、あたたかな夕日の光が、赤々として輝っていました。
「このごろ、あなたたちの姿を見ませんが、あなたは、おひとりですか?」と、山茶花はとんぼに向かって、たずねました。
「みんな、もういってしまったのです。」と、彼は、答えたが、さすがに、そのようすは、さびしそうであった。
ほんとうに、いつのまにか、こんなに、寂しくなったろう。ついこのあいだまで、やかましいくらい鳴いていたせみもいなくなれば、またとんぼの影も見えなくなったのでした。
「あなたは、どうして、ひとり残ったのですか。