Japanische Klassiker mit Furigana
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さむいひのこと
寒い日のこと
小川 未明
Lesen Sie 寒い日のこと (さむいひのこと) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.585 Zeichen · 6 Bildschirme
「日当たりがいいから、まあ、よく咲いたこと。」といって、花を指さきでつついていましたが、ふと足もとを見て、そこに、とんぼが落ちているのに気づくと、
「まあ、かわいそうに……。」といって、お嬢さんは、拾い上げました。
「きっと、昨夜、寒かったので、飛べなくなったのだわ。」
彼女は、どうかして、とんぼを元気づけて、飛ばしてやりたいと思いました。もし、自分の力で、それができたら、どんなにうれしいであろうと思いました。
「太陽が出て、あたたかになって、力がつきさえすれば飛べるわ。」と、お嬢さんは、いいました。そして、とんぼも、どんなにか飛べることを願ったでありましょう。
お嬢さんは、寒さのために、飛べなくなったとんぼを唇のところへ持ってきて、温かな息を幾たびも、幾たびもかけてやりました。とんぼは、体があたたまると、元気づきました。
「さあ、飛んでおゆき。」
お嬢さんは、最後に、もう一度、あたたかい息を吹きかけてやりました。とんぼは、彼女の手の中で、強く羽ばたきを打ったが、つういと、ふいに大空を目がけて飛び立ちました。
もはや、空には、太陽の光と熱とがみなぎっていました。