Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さむいひのこと

寒い日のこと

小川 未明

Lesen Sie 寒い日のこと (さむいひのこと) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.585 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

とんぼは、ちょうど昨日、屈託も知らずに、遊んでいたように、圃へ降りると、そこで、ぼんやりと、また一日を過ごしたのでした。

とんぼにとっては、この一日は長かったのであります。しかし、その日もいつしか暮れかかったのでした。彼は、どこを見ても、友だちの影を見なかった。それをひじょうにさびしく思いました。

昨夜よりも、もっと冷たい、強い風が、どんよりと曇った空の下を吹いていました。とんぼは、しっかりと棒の先に止まって、風に吹き倒されまいとしていた。このとき、風は、とんぼに向かって、

「早く、あなたも、お友だちのいるところへおゆきなさい。私が、つれていってあげましょう……。」と、とんぼの耳にささやいたのでした。

とんぼは、嵐の言葉にふるえて、黙っていました。その晩、とんぼの小さな魂は、青い、青い空を、上へ、上へと駆けていました。遠方の、清らかに輝いている星の世界へと旅立ったのであります。

星の光は、それを迎えるように、にこにこと笑っていました。そして、うるんだ、美しい目で、じっと、下界を見下ろしながら、

「来年の夏まで、ここへきて、ゆっくり休むがいい。そしてまた来年になったら、そちらへ旅立つがいい。