Japanische Klassiker mit Furigana
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かんえいぶどうかがみ
寛永武道鑑
直木 三十五
Lesen Sie 寛永武道鑑 (かんえいぶどうかがみ) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.633 Zeichen · 26 Bildschirme
打込んで、避けさせて、すぐ二の太刀に、肩を斬ると、対手は、よろめいて、三四尺も退った。半兵衛は
(槍だ。槍をとらぬと、太刀討はできない、槍だ。槍をとって――)
甚左の方では、少しも、物音がしなくなってしまった。
(勝負がついたのか、それとも――)
と、思いながら、槍持の方を見ると、もう見物人が、坂の上に、木の後方に、石垣の上に、真黒になっていた。そして、槍持は、一生懸命に、槍を振廻して、半兵衛の方へ渡さうと、対手の隙をねらっていたが、対手は、刀で、槍を叩いたり、避けて、飛込もうとする様子をしたりして、槍持と、半兵衛との間を、妨げていた。半兵衛は
(荒木が、わしの槍を恐れて、わしに槍をとらすなと、命じたのだ)
と、判断した。
「卑怯者っ」
と、後方で声がした。振向くと、肩を切られて、もう、蒼白になって、刀尖が、ややもすると下り勝ちになってくるのを耐えながら、半兵衛に、
「逃げるか」
と、叫んで睨みつけた。そして立留って肩で呼吸をした。
(可哀そうに――この二人が、わしを押えにかかったのだ。荒木は、上手に作戦をした。わしは、荒木の作戦にかかったのだ。今ここへ、荒木が来たなら、わしは、わしの不得手な刀で、闘わなくてはならぬ。