Japanische Klassiker mit Furigana
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かんえいぶどうかがみ
寛永武道鑑
直木 三十五
Lesen Sie 寛永武道鑑 (かんえいぶどうかがみ) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.633 Zeichen · 26 Bildschirme
槍持が、荒木の計にのったのは、わしの運のつきる所だ。わしは、太刀で、立派に荒木と戦って、立派に、負けてやろう。武士の重んじる所は、勝敗ではない。勝負は末だ。勝負をしている時の態度だ)
半兵衛は、青眼につけて、荒木と向合った。そして、そのまま、お互に動かなかった。
何の位経ったか、半兵衛には、判らなかった。呼吸が苦しくなり、汗が滲んできた。そして、荒木も、もう微笑を消して、眼を異様に光らせて――それは、可成りに、切迫している表情であった。
(わしは、わしの不得手な太刀打でも、これまでに試合した。もうこれで十分だ。この大勢の見物の中には、心ある人も、眼の開いた人もあろう。誰かがこの事を、国の人々へ伝えてくれるであろう。それでいい。わしが、得手の槍で負けたのよりも、不得手な刀で、ここまで戦ったほうが、却っていいかも知れない)
そう考えた時、一足退った。そして
(しまった)
と、心の中で叫んだ。何かの上へ、蹠がのって滑ったからであった。そして、無意識に、荒木が、打込んでくるであろう刀を防ごうとした時、身体が崩れてよろめいた。果して、荒木は、この一髪の機を握んで、打込んできた。