Japanische Klassiker mit Furigana
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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
Lesen Sie 寺田寅彦随筆集 第二巻 (えいがじだい) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 207.099 Zeichen · 419 Bildschirme
自転車の稽古をして、少し乗れるようになってからいっしょに市外へ遠乗りに行って、帰りに亮が落ちて前歯を一本折った事もあった。
そのころの亮の写生帳が保存されているのを今取り寄せて見ると、何一つ思い出の種でないものはない。第一ページには十七字集と題して、幼稚な、しかし美しい夢に満ちた俳句が、紫鉛筆や普通の鉛筆でかき並べてあって、その終わりの余白には当時はやった不折流のカットがかいてある。また自刻の印章――ボート形の内に竪琴と星を刻したの――が押してある。自分の家の門や庭の芭蕉などの精密な写生があるかと思うと、裏田んぼの印象風景などもある。「くいし(山名)へ行くにはどっちですか」「神社」「アツマコート」「小女山道」「昼飯」「牛を追う翁」「みかん」「いこいつつ水の流れをながめおれば、せきれい鳴いて日暮れんとす」など、とり止めもない遠足の途中のいたずら書きらしいものもある。
亮のかいた絵に私が題句をかいたり、亮の句に私が生意気な評のようなものをかいたりしたのもある。私はそのころ熊本で夏目先生に句を見てもらっていた。そして帰省すると甥に句を作らせて自分が先生のつもりでいたものらしい。